ドントウォリー！

　　　　　　　　　　　
「つながり」　とは、結びつき、絆、関係である。

人間は一人では生きられない。

動物も、魚も、植物も、鉱物でさえも、

同じ種類が群れをなしている。

同じ種類のもの同士が特別な　「つながり」　を持つように

初めから造られているとしか考えられない。

「類は友を呼ぶ」　と言われる通りである。

つまり、お互いに、特別な　「つながり」　で引き合い、

絆で結ばれ、関係が強固にされている。


それは、単なる維持にとどまらず、繁殖と増大をもたらして、大きな有機体に発展していく。

「つながり」　が強ければ強いほど、相互の間の交流が強まり、活性化と増大化をもたらす。

たとえば、男女の　「つながり」　が強まると、二人は結婚して一緒に生活するようになり、

やがて二人の間に子どもたちが生まれ、大きな家族になっていくのは、神の摂理である。


人が生きていくためには、さまざまな他の人との　「つながり」　が不可欠である。

良い人との　「つながり」　を持つと、良い世界に引き上げられていく。

悪い人との　「つながり」　を持つと、悪い世界に引きずりこまれていく。

それでは、良い人とだけ　「つながり」　を持って、

悪い人との　「つながり」　を断ち切るべきだろうか。

常識的にはそうである。　


でも、クリスチャンとしてはどうであろうか。

「神が善人にも悪人にも等しく太陽を照らしているように、

神を信じる者は善人にも悪人にも等しく親切にしなさい」

イエスはこう語っている。

人は外見から善人と悪人を簡単に区別するが、

神の目には、すべての人は罪人であり、かつ、

すべての人は救われるべき愛人である。


イエスはすべての人との　「つながり」　を求めている。

「わたしはぶどうの木であり、あなたがたはその枝である」　と言われた。

イエスは何のために人と　「つながり」　を求めているのだろうか。

人を愛するがゆえに、十字架の犠牲と復活によって、

人を罪から救い、永遠に生かすためである。

人に、愛、喜び、平安、謙遜、自制、自由、、

あらゆる良い実を結ばせるためである。

ご自分と人とが愛し合って、神の王国で楽しく生きるためである。


サタンもすべての人との　「つながり」　を求めている。

人を憎むがゆえに、人を罪の隷属状態に縛り付け、永遠に滅ぼすためである。

人に、憎しみ、悲しみ、不安、高慢、放縦、束縛、、、、

あらゆる悪い実を結ばせるためである。

サタンの最終目的は、人を殺し、神のいない地獄に引きずり込むことである。


キリストを信じる者は、まず自分が、イエスとの　「つながり」　を強め、

サタンとの　「つながり」　を断ち切らなければならない。

そして、人々が、イエスとの　「つながり」　を強め、

サタンとの　「つながり」　を断ち切るように助けなければならない。


だから、悪人だからといって　「つながり」　を断ち切ってはならない。

むしろ、例外はあるが原則としては、悪人だからこそ、

積極的に　「つながり」　を持つべきではないかと思う。

悪人をキリストに導き、彼がイエスとの　「つながり」　を持つように助けるためである。

一人の悪人が救われれば、

彼と　「つながり」　を持っている仲間の悪人たちも救われる可能性が高まる。


五十嵐弘志さんは、前科３犯、受刑生活２０年の自称　「極悪人」　であった。

獄中の五十嵐さんにクリスチャンが　「つながり」　の愛の手を差し伸べた。

彼はイエスを信じて救われ、昨年末に希望をもって岐阜刑務所を出所した。


今、五十嵐さんは　「マザーハウス」　という団体を作った。

多くの受刑者たちに文通により福音を伝え、

信仰を持って出所してきた元受刑者たちをケアする受け皿になるためである。


今年６月には、五十嵐さんが同じ岐阜刑務所で福音を伝えた、Mさんが出所した。

Mさんは、前科８犯、受刑生活３０年以上の　「つわもの」　である。

この８月には、　「京都一の不良少年」　だった

元暴力団行動隊長Bさんが、京都刑務所から出所した。

Bさんもかなりの犯罪歴を持っているが、

クリスチャンとの　「つながり」　で、獄中でキリストの信仰を持った。


五十嵐さんは、積極的に彼らと　「つながり」　を持ち続け、

彼らを訓練して、他の受刑者たちの救いに手を差し伸べさせようとしている。

五十嵐さんの心意気に共鳴した人たちが続々集まってきた。

彼らも刑務所の受刑者や出所後の元受刑者たちと　

積極的に　「つながり」　を持ち始めた。